見せ物師李小ニは鼠に芝居をさせるのを商売にしていた。
当然安定収入は望めなく、ご飯が食べれない日もしばしば。。
でもこの男は苦しいなどと考えたことはない。生きることは苦しいことなんだと考えている。
そんな時、みすぼらしい老人に出会う。この男は哀れと思い気を遣いながら接する。
しかしこの老人、自分は金には不自由しない人間であると言い、この男に富を与えた。
この仙人(老人)は自分がこうした身なりで生活していることを訪ねられると
「人生苦あり、以て楽むべし。人間死するあり、以て生くるを知る。
死苦共に脱し得て甚だ、無聊なり。仙人は若かず、凡人の死苦あるに」
と。
【感想】
めずらしく長めの文章でしたが、読みやすかったです。
「人生」と「死」について深く考えさせられました。
苦しいことがあったからこそ、楽しく思える。
死があるからこそ、生を知る。
逆の意味を成すことがあってこそ、わかることがある。
「死を意識しなければ生がない」、本当感慨深いです。
<画像:芥川龍之介全集1>
芥川龍之介「仙人」