大乗仏教の竜樹の物語を芥川龍之介が戯曲として書いた物がこの「青年と死」。
二人の青年が透明人間になるマントを被り、妃のところに忍んでいく。
その異変に気づいた守衛の宦官が人間のしわざとして彼らの存在を見破る。
切り捨てられる寸前に死神が現れ、
二人の青年AとBの死に際の思いの違いにより彼らの運命が変わる。
己の生を請う者ではなく、己の罪を謝り死を欲したものが生き残ることができた、というお話。
【感想】
自分のしてきた罪に悪意をあまり感じず死に無頓着だったB、
こんな罪などをおかした自分など死んで当たり前だと感じてきたA。
神様はちゃんと彼らを見てきたんだなーと。。
世の中、ずる賢く罪を犯してまで世渡りする人間もいる。
そんな風に生きて悔いることもなく死んでいく、なんて虚しいんだろうと思いました。
<画像:芥川龍之介全集1>
芥川龍之介「青年と死」